日本唯一の越境公営路線で千葉県民は大喜び|都営地下鉄新宿線
- 2018.12.10
- 東京都交通局(都営線)
東京都から千葉県民への無償の愛の路線
期せずしてこのような結果となってしまったのがこちら都営新宿線。
どういう意味なのでしょう・・?
この都営新宿線、東京都が運営する公営路線なのですが、日本国内の公営路線で唯一隣の都道府県に越境して乗り入れている路線なんです。
その当該駅が千葉県市川市にある本八幡駅で、こちらが都営新宿線の始発であり終点なんです。
元々はこの本八幡からさらに北の千葉ニュータウンとよばれる地域へ千葉県営鉄道なる県営路線を設置して、都営新宿線線と直通させることが前提の計画だったんです。
ところがその計画が頓挫し、結局千葉県市川市の本八幡駅がぽつんと取り残され、そのまま棚ボた的に都営新宿線の始発と終点のポジションをゲットしたのです。
この恩恵にあずかったのが地元本八幡の千葉県民です。
これまで都心への唯一のアクセス路線であったJR総武線のすさまじいラッシュから解放されて、都営新宿線の始発駅から座って都心まで行けてしまうという最高の贈り物を東京都から無償でゲットしてしまったのです。
東京都民側の心中やいかに?
一方で心中穏やかではないのが東京都民、とりわけ本八幡の隣駅から4つ位の篠崎、瑞江、一之江、船堀あたりの江戸川区民です。
このあたりの住民も都営新宿線が通るまではバスでJR総武線の小岩、新小岩、平井あたりか東京メトロ東西線の葛西、西葛西あたりに出て、そこから超満員電車に乗っていたのです。
その地獄から解放されるかと思いきや結局その夢は奪われ、朝のラッシュ時には都心まで25~30分ほどかかるすし詰め状態の車内の座席には、千葉県民がのうのうと座って居眠り(狸寝入り)している姿が・・。
これには相当カチンと来るようですねw。
都営新宿線の路線とは?
都営新宿線は新宿駅から本八幡の23.5キロを結ぶ都心横断路線です。
都心のほぼ中心の位置を横断しているので、中央・総武穏行線、東西線、京葉線と並行した路線となり、千葉方面から都心への重要なアクセス路線のひとつでもあります。
新宿から西へは京王線直通となっているので、笹塚や調布を経て神奈川県相模原市の橋本までそのまま行くことができます。途中で乗り換えれば高尾山まで行けますよ。
途中駅の市ヶ谷、九段下、神保町、小川町では他の路線への乗り換えもスムーズなので非常に便利ですよ。
また、午前10時過ぎから午後5時ごろまでは急行運転も行っているので、新宿から本八幡へはJRよりもかなり早くたどり着くことができます。
都営新宿線の駅別キャラクター
それでは恒例のコーナーです。
毎回のことですが、
違うったら!
と思っても、そこは唯一の越境公営路線のプライドを以て堪えてくださいな。
本八幡
JR総武線のページに詳しく記載がありますが、都営新宿線の始発であり終点です。
都営地下鉄で唯一の県境を超えた千葉県市川市となります。
やはり都民の都営新宿線ユーザーの方はここではなく江戸川区の小岩を始発にして欲しかったようですね。
篠崎
東京都辺境の住宅街
江戸川のほとり、ここからは東京都江戸川区となります。
駅前には大きめのスーパーが2軒とドラッグストアが数件ある静かな住宅地です。
新興住宅地なので比較的街並みが綺麗で家賃もけっこうお安いですね。
駅のすぐ上にはけっこう大きな区立図書館があってイベントもあるので子供さんがいる場合には良いかと思います。
江戸川区は子供へのサービスが色々と手厚いので、とくにこの篠崎はファミリー層におすすめですね。
夏にはすぐそこの江戸川の河川敷で大きな花火大会があります。
コロナ騒動の時には開催されませんでしたが、伝統として後世に語り継がれてほしいものです。
その時だけは東京各地から人が押し寄せて篠崎駅周辺は嘘のような賑わいを見せます。
朝の通勤ラッシュ時には隣の本八幡まであえて戻ってから座って都心に通勤する人も多いそうです。
ただし、本八幡駅では朝のラッシュ時に限って一旦全員車外に出されてホームの行列に並ばされてしまいます。
それがかえってまたストレスになるようですね・・。
瑞江
ドンキホーテ愛用民たち
駅前にはドンキホーテが瑞江の街のランドマーク的にそびえたっています。
そんなドンキで買ったスウェットやサンダルを愛用する若者や、ドンキのお買い得食料を毎日チェックするお年寄りが多く集う住宅地がここ瑞江です。
駅周辺の住宅地は区画整理がなされたので、とても小奇麗で清潔です。
飲食店は大手チェーンと個人店が半々位に点在しているので、外食はそこそこ楽しめます。
篠崎、瑞江、一之江エリアのなかで住むならばここ瑞江が一番便利ですね。
家賃も東京23区の中ではかなりリーズナブルな部類に入りますので、都営新宿線沿線に通勤通学する方には良いと思います。
一之江
老人と新中川
都営新宿線の江戸川区エリアのなかで、ひと際老人率の高いのがこちら一之江です。
瑞江や篠崎よりも古くからの住宅が多いからなのでしょうか、駅からすぐの新中川の河川敷の散歩道はお年寄りをたくさん見かけます。
それが理由なのか、駅周辺にはヤマイチという江戸川区のメジャースーパーやマルエツとチェーンの飲食店くらいしかありません。
あとは住宅街の中に個人経営の古いスナックがたくさんあります。
そんなのどかな一之江の雰囲気が気に入って長く住んでいる人も多いですね。
夜ちょっと飲みに行くなんて時は隣の船堀か瑞江に出る人が多いみたいですね。
また一之江駅のバス停からは、羽田空港と成田空港へ向かうリムジンバスと、東京ディズニーランドへ向かうシャトルセブンという路線バスが出ています。
空港へよく行く方やディズニーランド好きな方には良いかもしれません。
家賃相場は瑞江や篠崎とさほど変わりません。
西隣の船堀は急行が止まるので一之江よりは若干お高めの設定です。
船堀
ボートレースタウン
駅の真横を流れる巨大河川荒川の流れを利用した江戸川競艇場のお膝元です。
駅から競艇場へは無料送迎バスが走っており、レース開催日には新聞片手に野球帽をかぶったおじいさん達が山ほど乗り込んでいます。
そのような街なので、駅周辺には安い飲み屋やパチンコ屋が点在する場末感満点の雰囲気です。
駅前には中規模のスーパーが3軒ほど有り、ドラッグストアや大きめの100円ショップもあるので生活は便利かと思います。
ちなみにここ船堀から隣の東大島までは地上走行区間となり、船堀駅は高架の上にあります。
また、急行運転時間帯にはここ船堀に急行が停車するので、昼間に都心へ向かう場合は便利です。
競艇場の雰囲気が気にならなければ快適に過ごせる街かと思います。
東大島
リバーサイド団地
荒川を挟んで西側に位置するのがこちら東大島(ひがしおおじま:「しま」ではない)です。
車窓内の風景は、荒川沿いにレゴブロックのように連なる団地街です。
ちなみに、この中川ではオリンピックやパラリンピックのカヌー選手も練習しているほどのカヌーのメッカですよ。
この団地街は比較的年齢層が低めで、最近ではインド人を中心とした外国人も増えてきています。
東西線で紹介した同じ江戸川区の西葛西方面から流れてきたインド人勢力がこちらまで拡大しつつあるようです。
駅前にダイエーが一件ありますが、他にはコンビニと小さなドラッグストア位しかないので買い物には少々難ありですね。
ただし、リーズナブルで頑丈な団地物件が多くありますのでファミリー層には良い所かも知れません。
ちなみに駅の東口は江戸川区ですが、西口は江東区になります。
大島・西大島
ひっそり下町住宅エリア
ここからは東京の下町の典型のようなエリアとなります。
小さめの住宅が肩を寄せ合い、路地裏では子供たちがかくれんぼをしているような風景です。
それぞれ駅前に中規模スーパーもあり、昔からの商店街も細々と続いているので買い物には困りません。
大島駅には急行も停車しますし、本数はかなり少ないですが大島始発の電車もあるので座りたい人にはおすすめです。
老若男女がひっそりと暮らす街、大島・西大島、家賃相場もリーズナブルなので意外とおすすめです。
住吉
こちら住吉の詳細は半蔵門線のページでご覧ください。
ここから家賃相場が上がってきます。
菊川・森下
下町工場とのらくロード
この辺りは江東区と墨田区の境目あたりで、町工場が多いエリアになります。
街を歩いているとフォークリフトをよく見かけますね。
森下駅前は、有名なマンガのらくろの作者、田川水泡さんの出身地ということでのらくロードという商店街が広がります。
住宅は下町の典型で密集型となり、少しごちゃごちゃしていますね。
森下駅では都営大江戸線も乗り入れていますので、浜松町や六本木方面、上野や文京区方面に出るには便利ですよ。
ただし都心にかなり近いので家賃相場はそこそこですね。
浜町
明治座のお膝元
東京を代表する劇場「明治座」がこちら浜町駅を出てすぐのところにあります。
このエリアは日本橋の一角で、正式な町名は日本橋浜町といいます。
他にはオフィスビルが立ち並ぶ都心といった雰囲気ですが、新しいマンションがそこそこありますのでひょっとしたら掘り出し物物件に出会えるかも知れません。
ちなみに徒歩10分くらいで都営浅草線と日比谷線の人形町にも出られますよ。
馬喰横山
こちらはJR横須賀総武快速線の馬喰町と都営浅草線の東日本橋と同じところです。
詳細はそれぞれのページをご参照いただきたいのですが、注意点が一つ。
都営浅草線の東日本橋駅までは300メートルほど離れているので、乗り換えには念のために10分くらいは見ておいた方が良いと思います。
岩本町(秋葉原)
じつはアキバです
そうなんです。
ここ岩本町は秋葉原と目と鼻の先、駅名を秋葉原にしても良いんじゃないでしょうかという声が多かったのでしょう、カッコ書きで秋葉原が加わりました!
秋葉原駅から南に徒歩3分位のところなので、アキバに通勤通学する人、そして足しげく通う人にはこの都営新宿線沿線もおすすめなんですよ。
日比谷線の秋葉原駅は岩本町駅を出てすぐのところで乗り換え駅として利用できます。
ただし岩本町となると千代田区の都心ど真ん中なので、家賃は相当高いですよ。
小川町
こちらは丸の内線のページの淡路町と同じところです。
地下深いところにホームがあるので、特に千代田線への乗り換え時間は6~7分くらい考えておいた方が良さそうですね。
神保町
こちらは半蔵門線のページで詳細をご覧ください。
都営三田線と半蔵門線に乗り換えができます。
九段下
こちらは東西線のページで詳細をご覧ください。
ちなみに、半蔵門線ホームはすぐ横にあるにもかかわらず長年壁で隔てられており、その壁のことを当時の猪瀬都知事が「バカの壁」と断罪し、壁は取り払われたのです。
ただし、同じホームと言っても進行方向が真逆というオチがありますが・・。
市ヶ谷
こちらJR総武線のページをご覧ください。
南北線ホームが結構地下深いところにあるので乗り換えには7-8分見ておいた方が無難です。
曙橋
フジテレビの抜け殻
フジテレビがお台場に移転する前は、この曙橋がお膝元でした。
よくハガキをフジテレビに送る際の住所が「東京都新宿区牛込局区内」となっていたの覚えている世代の方も多いんじゃないでしょうか。
フジテレビが出て行った今となっては怪しげな高級マンションや飲食店が立ち並ぶだけの閑散としたエリアになっています。
新宿三丁目
こちら詳細は丸ノ内線のページをご覧ください。
新宿
こちら、愛憎渦巻く東京カオスを代表する巨大ターミナル新宿が都営新宿線の始発であり終点です。
新宿についてはじっくりと専用ページを作ってお伝えしようと思いますので少々お待ちを。
ちなみに都営新宿線のホームは地下のかなり深い所にありますので、ラッシュ時にはエスカレーターの長蛇の列に並ぶことが必須となります。
ここから西は京王電鉄の京王新線となり、初台、幡ヶ谷、笹塚を経て京王線の本線につながります。
無償の愛とは都営新宿線のことではないでしょうか?
始発駅が東京都外にもかかわらずぐっと堪え、最近ではそれは千葉県民への無償の愛に変わりつつなるのではないでしょうか?
江戸川区は縦に長いのでその南北の移動手段として都営地下鉄を通してほしいという声も昔からありました。
そのような根強い住民の悲願も有る中で約30年の間、反対運動や抗議デモなども起こらずに千葉県民を都心へと受け入れたこの都営新宿線の無償の愛こそ公営交通の鏡ではないでしょうか?
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